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肩の痛み
肩の痛み
神経症状・・・変形性頚椎症、頚椎間板ヘルニア、頚椎後縦靱帯骨化症
「変形性頚椎症」
症状
外傷起点のない首・肩・腕などの痛み・腕や手のしびれ・手に力が入らない等・また、めまい・頭痛・耳鳴りが主な症状。
原因 
加齢等に伴う椎間板や椎骨の変性。椎間板は椎骨と椎骨の間でクッションのようなはたらきをします。その変性により弾力性が失われクッション作用が弱まり、 その結果、椎間関節がすり減ったり椎骨同士がぶつかったりします。刺激された椎骨は骨棘と呼ばれる骨突起物を形成し、それが脊髄神経や血管等を圧迫し、痛 みやしびれといった症状が出るのです。

治療法…変形が起こること自体は特に心配のない疾患であり、多少の痛み や違和感等なら温熱療法や、日常生活に気をつけることで改善されます。こりや痛みの強い場合は、非ステロイド性消炎鎮痛薬や湿布薬などの薬物療法を用いま す。しかし、神経麻痺など日常生活に支障をきたすように症状が深刻な場合は、手術をして改善します。

ホームケア…姿勢を正し、同一姿勢を長時間続けないように気をつけるこ とが大事です。肩や首の筋力アップのための体操を習慣づけるとよいでしょう。息を吸いながらゆっくり両肩を上げ、息を吐きながら下げる「肩の上げ下げ運 動」や、手で頭を押しながら、それに抵抗するように前後左右に頭を倒す「抵抗運動」などの体操を行います。ですが、変性期で炎症が強い時は逆効果ですの で、まずは診断をおすすめします。



「頚椎椎間板ヘルニア」
通常は腰痛やいわゆる「ぎっくり腰」のような症状が数日みられます。これに続いて片側のお尻や足へと放散する激しい痛み やシビレが生じます。この痛みは激 烈なものが多く、運動麻痺が起こると足に力が入らず数日はほとんど満足に動けないことも多く、睡眠も妨げられるほどです。しかしながらこの痛みは2-3週 間でピークを迎えることが多く、その後は放散する鈍痛がみられ、徐々にこれが薄らぐという経過をとります。典型的な場合には症状は一側下肢のみに限局しま すが、時には両下肢が痛むことや、排尿排便障害、腱反射異常、知覚障害、筋力低下などがみられることもあります。

原 因…腰椎の椎間板は椎骨と椎骨の間にあってクッションのような役割をしています。椎間板は外縁部分を構成する線維輪という靱帯様の構造物と、中心部に含ま れる かなり軟らかい髄核とよばれる構造物から成り立っています。この椎間板のうち線維輪が弱くなって全体として膨隆したり、線維輪が断裂して中の髄核が脱出し たりして、近傍にある神経を圧迫するようになったものが腰椎椎間板ヘルニアです。
腰椎椎間板ヘルニアは人口の1%程度に認められ、20~40歳代に多く、男性が女性より2~3倍多く、原因は、加齢的な変化に加え、軽微な捻挫や打撲、長 時間一定の姿勢を強いる作業、スポーツ傷害などが誘因となって発生します。中には、重いものを持った際や「くしゃみ」などをきっかけに発症することもあり ます。

治療法…安静を指示し、日常生活動作の注意点を指導します。活動時には装具療法としてコルセットを着用させます。リハビリテーションとして腰椎牽引療法や温熱療法・電気刺激療法を指示し、腰部のストレッチングや筋力強化訓練を指導します。難治例では神経ブロック療法を検討します。
しかし、これらの手術しない方法で改善の得られない症例は手術的治療を考慮します。手術適応は、耐え難い痛みを認める症例や直腸膀胱障害を認める症例、運動麻痺を認める症例などが対象となります。
近年、MRIの普及などによりヘルニアの病態が解明されつつあり、一部のヘルニアでは、自然に消退縮小することも解ってきました。従って、急を要する症例 (運動麻痺や直腸膀胱障害を認める症例)以外は、3~6ヶ月間の保存的治療を行うように指導します。一般的に、腰椎椎間板ヘルニアの90%程度が保存的治 療により軽快すると考えられています。


ホームケア…日常生活上の注意が非常に重要で、その基本は安静と刺激 を避けることです。痛みが激しい急性期は、温めると症状が悪化する事があるので、入浴はシャワー程度にしておくとよいでしょう。自分でむやみなマッサージ や指圧等、患部に刺激を与えることはやめましょう。草むしりやデスクワークなど下を向いての仕事や、天井の掃除など上を見上げての仕事も控えましょう。 痛いからといって、全く動かないと足腰が弱るため、散歩や手足の体操など、首に負担がかからない運動はしても大丈夫です。首に関しては専門家の指示を仰い で下さい。

寝る際のまくらは、あまり硬くなく肩までかかるような大きめのものがおすすめです。立ったときのような自然な首の状態が保てる形のものが良いとされています。 頸椎椎間板ヘルニアは一度症状が消えても再発することがあるので、日常生活には気をつけましょう。


頚椎後縦靭帯骨化症
頸椎を支えている後縦靭帯が骨になる病気で、遺伝的に日本人に多くみらます。靭帯が骨化すること自体が問題になることは少ないのですが、骨化した靭帯が脊 髄を圧迫することで、手足にさまざまな神経症状を現すようになります。 現在のところ、靭帯が骨化する機序についての詳細は不明です。

原因 
脊柱は椎骨が積み重なってできていますが、それらの椎骨をつないで支えている組織のひとつに靭帯があります。この靭帯には、椎骨の前側にある「前縦(ぜんじゅう)靭帯」と後側にある「後縦靭帯」があります。
後縦靭帯は脊柱管に面しているので、従来軟らかい組織が骨化して硬く大きくなると、脊柱管内にある脊髄を圧迫してさまざまな神経症状を現します。
手足のしびれや痛みで発症することが多く、また、手指の運動がうまくできなくなり、箸が持ちにくい、ボタンが掛けにくい、字が書きにくいなどといった症状 が出てきます。脚では「痙性(けいせい)歩行」といって、脚が突っ張って歩きにくくなります。さらに症状が進むと、排便・排尿障害も起こることがありま す。
脊椎の骨化する程度によって、それぞれ腰椎後縦靭帯骨化症、胸椎後縦靭帯骨化症、頚椎後縦靭帯骨化症と呼ばれます。一方、脊髄の後方に存在し、脊椎椎弓間 を連結している靭帯は黄色靭帯といい、これが骨化すると黄色靭帯骨化症といいます。黄色靭帯骨化症は、脊髄麻痺を生じる疾患であり、胸椎部に好発します。 何が原因で後縦靱帯骨化症になるのかは、多方面にわたって研究されていますが、はっきりした原因は不明なようです。後縦靱帯骨化症になる人の比率は男性と 女性では2:1で男性が多く、発症する年齢は40歳以上がほとんどです。
後縦靱帯骨化症(こうじゅうじんたいこっかしょう)が頚椎に起こると、初発症状として首筋や肩胛骨周辺に痛みやしびれ、また、手の指先にしびれを感じるよ うになります。上肢の痛みやしびれの範囲が次第に拡がり、手指の運動障害のため両手の細かい作業が困難となります。また、下肢のしびれや知覚障害、足が動 かない等の運動障害が出現してきます。進行すると下肢のしびれ、痛み、筋力低下、上・下肢の腱反射異常、病的反射、知覚鈍麻などが出現し、痙性麻痺を呈し ます。脊髄麻痺は四肢に対称的に出現することが多く、前横断脊髄麻痺となれば、頻尿、開始遅延、残尿感、便秘など膀胱直腸障害も出てきます。後縦靱帯骨化 症の症状が重くなってくると排尿や排便の障害などで日常生活に介助を必要とする状態にもなります。後縦靱帯骨化症の初発症状は上肢のしびれや痛みを症状と するものが約40%、項頸部のこりや痛みを訴えるもの約34%、下肢のしびれや痛みを症状とするもの約16%、下肢の運動障害が約13%だそうです。後縦 靱帯骨化症は慢性進行性のかたちをとるものが多いようで、良くなったり悪くなったりしながら長い経過をたどり、神経障害が次第に強くなってきます。

治療法…保存治療には、頸部の安静のために頸椎カラーを装用します。薬 物療法では、痛みに対しては非ステロイド性消炎鎮痛薬や筋弛緩(しかん)薬を用います。温熱療法や牽引(けんいん)療法も用いられます。約3カ月治療をし ても症状が改善しない場合は、手術療法を考えます。
すでに脊髄障害により歩けなかったり、排尿・排便障害がある場合は、早めに手術するほうがよいですが、靭帯骨化があるだけで著しい症状がない場合は、経過を観察するだけでよいこともあります。
手術療法では、頸部の前から手術する方法と、頸部の後方から手術する方法があります。前からの方法は、「頸椎前方徐圧固定術」といい、脊髄の圧迫されてい る箇所が少ない場合に行われます。この際には骨移植が必要になり、通常は腸骨(骨盤の骨でベルトのかかる部分)から移植骨をとります。後ろからの方法は、 脊髄圧迫箇所が多い場合に用いるもので、主に「椎弓(ついきゅう)形成術」が用いられます。
後縦靭帯骨化症の治療には手術療法と保存的治療があります。まず頚椎の安静保持を保つため、保存的療法では頚椎の外固定装具を寝ている時以外に装着しま す。頚椎はこの時快適な位置にないといけません。装具は高さの調節ができるものがよいようです。入院して、持続的に頚椎を牽引する場合もあります。入院管 理の下に持続牽引する期間は約一ヶ月くらいです。牽引療法の効果は、胸椎や腰椎では頚椎よりも少ない傾向にあります。そのほか、消炎鎮痛剤、筋弛緩剤等に よる薬物療法で自覚症状の軽減が得られることがあります。症状が進行し始めると保存的治療の効果は期待できなくなるため手術治療します。これには前方手術 と後方手術があり、背骨が丸くなっている胸椎では前方進入法が選ばれ、腰椎では後方進入法がよく選ばれます。前方進入法は神経の圧迫を取るため骨化部位を 摘出し、その部位を自分の骨で固定します。後方進入法では骨化部位はそのままにして神経の入った脊柱管を拡げます。




神経・血管症状…胸郭出口症候群

胸郭出口症候群
症状
頚部・肩背部・上肢に痛みや感覚異常・しびれ・だるさ・冷感・脱力・肩や肩甲骨周囲のこりと痛みなどを引き起こす疾患群で、病態により上肢の挙上時もしく は下方への牽引時に症状の誘発増悪が認められます。一方で、上肢に症状がなく、肩こりや背中の痛みのみの場合もあります。これといった原因がわからず、治 療効果が思わしくない肩こり等は胸郭出口症候群の可能性があります。 罹病期間が長期化すると、頭痛・眩暈・吐き気・不眠・全身倦怠感・胃腸障害・発汗異 常などの自律神経障害を伴うこともあります。また、先天的要因の影響が大きいのが特徴です。


頚肋症候群
先天的に第7頸椎横突起が肋骨化して延びたもので、神経症状が主であり、上肢の冷え等は少ない。
斜角筋症候群
斜角筋隙を神経と動静脈が走行しています。その斜角筋の緊張により、これらの神経と動静脈が圧迫ることにより起こります。特に手の薬指、小指にしびれや痛 みがおき、握力も弱くなります。なで肩の女性に多く見られ、長く肩を下げていると症状が悪化します。
肋鎖症候群
鎖骨と第1肋骨の間隙が狭まって、神経や動静脈が圧迫された時、指先に軽いしびれと血行不良をおこします。肋鎖が狭くなる原因には交通事故等の強い外力以 外は周辺筋の過緊張による膨大が多く、疲労や姿勢などの変化で肩が下がるとおこりやすいと言われています。
小胸筋症候群
小胸筋と肋骨間の間隙を神経と動静脈が走行し、上肢へと向かっています。つり革につかまるような体勢をとると時に腕がしびれるのは小胸筋症候群を疑いま す。小胸筋の緊張による膨大がある場合、上腕外転時に、小胸筋の烏口突起停止部で、神経と動静脈が圧迫されて起こります。


治療法…
「胸郭出口症候群」とは症状の総称に過ぎません。大切な事は「自分の胸郭出口症候群のケース」について、まず知ることです。
頚肋症候群以外はほぼ筋肉の緊張による膨大が原因で神経や動静脈が圧迫されて起こります。その原因筋をつきとめ、緊張を取り除く治療をします。
勿論症状によっては手術をすすめられる場合もありますが、一般的には、温熱療法や、マッサージ等が有効です。
また、頚肋であっても無症状の方もいます。症状出現の直接的原因が筋疲労や筋緊張であることも稀でありません。それに頚肋以外の上記疾患についても、先天的な原因の場合もあるのです。
治療に関しては、しっかりとした見極めが必要になります。原因筋以外にも、周辺筋あるいは遠位にある関連筋にも影響が及んでいる可能性が高いので、安易に刺激せず、筋肉や骨格に精通した専門家の治療を受けるのが最善です。


ホームケア…肩を持ち上げる挙上運動や首の運動などがあり、負荷をかけ ないで首や肩の周辺の筋肉をリラックスさせます。合わせて腕立て伏せなどで多少負荷をかけ肩周辺の筋力を強化してください、寝るときは腕による圧迫を避け るため、抱きまくらの上に腕をのせて寝るなどの工夫も一つの方法でしょう。



筋症状…

上腕二頭筋長頭腱炎
原因 
上腕二頭筋長頭腱は肩関節の関節唇から発し、結節間溝を通り、上腕二頭筋短頭と合流して上腕二頭筋となります。
上腕二頭筋長頭腱は他の筋肉や腱と強調して、肩の全ての運動に関与します。そのため、上腕二頭筋長頭腱は絶えず上腕骨頭から機械的な圧迫や刺激を受けています。この様な解剖学的特徴から、上腕二頭筋長頭腱は慢性的にストレスを受けやすく、炎症を生じやすいと考えられます。
上腕二頭筋長頭腱炎は20~40歳代に多く、症状としては肩の痛みや運動制限を訴えます。中には、スポーツ活動時に「コクコク」と言う雑音がすると訴えられる方もおられます。結節間溝に圧痛を認め、肩関節の内・外旋(内ひねり、外ひねり)で肩の前面に痛みや雑音を聞き取る事が出来ます。

治療法…温熱療法や電気刺激療法、ストレッチ、筋力強化訓練などを指導します。難治例に対してはステロイド腱鞘内注射を試みます。これらの保存的治療にて改善の得られない症例では手術的治療を検討します。



石灰沈着性腱板炎
原因 
石灰沈着性腱板炎とは腱板の周辺に石灰物が沈着し、腱板や滑液包が炎症を起こして肩関節に痛みと運動制限を引き起こす疾患です。腱板は大結節に付着している棘上筋・棘下筋・小円筋と、小結節に付着している肩甲下筋の四つの筋腱より構成されています。
石灰沈着性腱板炎は頻繁に見られる疾患です。40~50歳代の女性に多く、突然、誘因なく、激しい肩の痛みを訴えます。患者さんは痛みのために肩と腕を全く動かそうとはいたしません。腕を胸に固定した状態で、苦悶顔で来られます。そのため一見して石灰沈着性腱板炎と予測診断されます。確定診断はレントゲン検査にて腱板周辺に石灰物が確認できれば容易です。慢性化した症例では肩関節の運動制限が現れ、肩関節周囲炎やインピンジメント症候群に似た症状を呈します。

治療法…痛みに対しては基本的な痛みの治療法に則り、非ステロイド系抗炎症剤を処方し、肩峰下滑液包内注射を試みます。痛みが軽減すればリハビリテーションとして温熱療法などで経過観察します。中には、痛みが完全に消失しても、依然として石灰物が存在する症例もあります。その様な症例では短期間に同様な症状が再燃することがありますので要注意です。又、長期に渡って肩の痛みが持続しますと、やがて、肩関節拘縮を併発しますのでストレッチングや筋力強化訓練が必要となります。
しかし、これらの保存的治療で改善されない症例や再発を繰り返す症例では、石灰物敵出術が検討されます。




野球肩
いわゆる野球肩」とは、野球の投球動作に似たスポーツ活動によって起こる肩の障害を言います。野球以外のスポーツでは、バレーボールやハンドボール、バスケットボール、バトミントン、槍投げ、テニスなどの活動中に発生します。
これらのスポーツの一連の動作を野球で説明しますと5つの動作に分かれます。すなわち、ワインドアップ期・コッキング期・加速期・リリース期・フォロースルー期の5つより構成されます。
ワインドアップ期は投球動作に入るまでを言います。コッキング期はボールを持って肩が最大に外転、外旋する時期までの動作で、いわゆる出前持ちの様な状態 を言います。加速期はボールの投げ始めからボールを手放すまでの動作を言います。リリース期はボールが手から離れ、腕の動きが急に減速される時期までの動 作を言います。フォロースルー期はボールを投げ終えて投球動作が終わるまでを言います。以下、各5つの動作における肩の障害を説明します。
原因

ワインドアップ期
ワインドアップ期は下半身が主導ですから肩の障害は全く起きません。


コッキング期
コッキング期では肩関節は外転・外旋運動が強制されるため、肩の前方が引き伸ばされて三角筋前部や上腕二頭筋長頭腱は牽引され、棘上筋は収縮します。このため三角筋炎・棘上筋炎や上腕二頭筋長頭腱炎、インピンジメント症候群、腱板損傷が発生し易くなります。


加速期からリリース期加速期からリリース期は最もスピーディーな動作が行われる時期です。肩関節は外転・内旋運動が強いられ、色々な肩の障害が発生し易くなります。加速期からリリース期では三角筋中部と後部は引き伸ばされ、棘上筋・棘下筋・小円筋などの腱板は収縮から伸展し、肩峰下滑液包や鳥口肩峰靭帯によって圧迫を受けます。このため三角筋炎や腱板損傷、インピンジメント症候群が発生し易くなります。また、小児においては上腕骨近位骨端線離開(いわゆるリトルリーガー肩)を発生させます。


フォロースルー期
フォロースルー期では上腕三頭筋の収縮により腕は前方へ振り出されるため、腱板や肩の後面が引き伸ばされます。このため上腕三頭筋腱炎や肩関節の後方の関節包や関節唇(ベネット病変など)を損傷し易くなります。
以上のように、肩は投球動作によって色々な障害が発生します。
治療は投球を一次中止させ、基本的な痛みの治療法に則り、短期間の非ステロイド系抗炎症剤や筋弛緩剤を処方し、リハビリテーションとしては温熱療法や肩のストレッチング、筋力強化訓練を指導します。難治例に対しては注射療法を検討します。これらの保存的治療で改善の得られない症例は、障害部位に応じて様々な手術的治療を検討します。
 


治療法・・・投球を一次中止させ、短期間の非ステロイド系抗炎症剤や筋弛緩 剤を処方し、リハビリテーションとしては温熱療法や肩関節周囲のストレッチング、筋力増強訓練を指導します。難治例に対しては注射療法を検討します。これ らの保存的治療で改善の得られない症例は、障害部位に応じて様々な手術的治療を検討します。

ホームケア・・・医師の診断を受け、症状を把握することは勿論です が、基本的には投球後のアイシング、それ以外は肩を冷やさないこと。十分なストレッチ。炎症期でなければ、インナーマッスルトレーニングが最も大切です。 負荷の軽いチューブやダンベルで肩関節の各方向へ素早く動かして下さい。特に内外旋の動きが重要になります。



五十肩
原因
明らかな原因は不明ですが、肩関節の痛みで発症し、次第に痛みが増強して、やがて関節拘縮を生じ、肩の機能障害をもたらす疾患です。40~60歳台によく認められることより、退行変性を基盤に、軽微な外傷や血行障害が加わって腱、関節包、滑液包に炎症を引き起こし、癒着性関節包炎や滑液包炎を発生させ、肩関節の疼痛や拘縮をもたらすとものと考えられています。
初期には肩の痛み、肩の運動制限を訴えます。特に、結帯動作や外旋が制限され、次第に前方挙上が困難となります。時に夜間痛にて目を覚ますと訴えられる方もおられます。尚、同様な症状を訴える疾患として腱板損傷や変形性肩関節症などもありますので鑑別には注意を要します。

治療法…温熱療法や電気刺激療法などで痛みを緩和し、関節可動域改善訓練や、肩のストレッチング、筋力強化訓練などを行なっていただき、肩の体操(コッドマン体操)を指導します。激痛や夜間痛を訴える症例ではステロイド関節内注射や神経ブロック療法を、難治例では手術的治療を検討します。
皆さんの多くは「五十肩は、放置しておけばいつの間にか治る」と考えられておられるようですが、適切な診断・指導・処置を受けず、放置したがために、治癒までに長期間を要し、日常生活動作や趣味、スポーツに多大な悪影響を有した症例や後遺症を認めた症例もよくあります。やはり、早期診断・早期治療が大切です。尚、肩関節周囲炎に腱板損傷を合併することもよくありますので注意深い観察が大切です。


ホームケア…五十肩の痛みを和らげる寝かたの基本は、「痛む方の肩を上」にして寝るのが基本です。市販の抱き枕等を利用して高さかをかせぎ、下から支える事で痛みを和らげて眠る事が出来ます。家にあるものを利用して五十肩の痛みを和らげる寝かたの工夫をしてみましょう。用意するものは、「バスタオルor毛布」これらを折りたたんだり、丸めたりするだけ。 これを抱きかかえる、もしくはひじから肩の部分に入れて下から支えるようにします。市販の抱き枕も、色々な素材なものがあり、それはそれでお勧めなのですが、家にあるもので代用してみる事も簡単なことですので、一度、試してみてはいかがでしょうか。
また、五十肩の痛みで眠れない時の応急処置として、三角巾で腕を吊って寝る方法もあります。ただし、痛みが治まった後も三角巾で腕を吊って寝るのは避け、痛みが治まったら外して寝るようにしましょう。




寝違え

症状 
肩~首にかけての痛みで左右の片方どちらかに出ることのほうが多いですが、重症のものは、両側の痛みや、広い範囲に痛みが出て、どこが痛いのか自分でもわらならいこともあります。片側だけ寝違えのほうが早く治るものが多いです。 
痛みで動きが制限されますので、首がまわしずらくなります。左右、前後で動かしてみると、右は向けるが、左は向けないなど痛くて動かせない方向、比較的動かせる方向などがあると思います。 
まれにですが、寝違えとともに、のどの前のほうに痛みが響いてしまい、痛くて唾を飲み込めない、深呼吸をすると痛くて息が充分吸えないというような状態になることもあります。
 

原因 
寝違えの原因ですが、 首にむりな姿勢で寝たために一時的に首の筋肉を痛めたものから普段から首に負担がかかるような歪みや姿勢の問題があり、限界を超えて痛みが出たものまで様々です。 
頻繁に寝違えるような方は頚椎だけの問題ではなく、体全体のバランスにも問題がある場合が多く見られます。いつも同じ側を寝違えるという方が多いのではないでしょうか。これは体のバランスに偏りがあるため、いつも同じ部分にストレスがかかっている場合によくあることです。 
そういう方は、普段から背中や肩のはり感が強い、首が回りにくいなどの状態があったはずなのですが、そういう状態が続くと、なんとなくそれが当たり前になってそのことに慣れてしまうものです。 
しかし、負担がかかっているという状態には変わりはありません。日々の負荷が知らず知らずのうちに積み重なり、限界に達した時、ある日突然発症するという場合がほとんどです。

治療法…
痛みが出た直後は、筋肉は緊張状態にあり、炎症をおこしています。少し熱っぽく感じる時もあります。首の筋肉は硬く張ったような状態になっていますので、まずは筋肉の異常な緊張をとってあげることが最初の段階です。過度の筋緊張が緩むと痛みはかなり軽減します。 
ある程度炎症や痛みが減ってきたら骨格のバランスや頚椎の歪み、負担のかかっている部分への治療を始めます。頚椎にゆがみがあるとその周りの筋肉は緊張し、その緊張した筋肉はさらに骨のゆがみを大きくするという悪循環です。

 

首が痛いと首が悪いと考えがちです。確かに首も悪いのですが、体を全体的な視点から診るなかで局所的な問題を解決していくようにすることが大切です。

 



関連痛

「関連痛」とは痛みを感じている場所以外が原因で起こる痛みのことで、治すためには痛い場所を治療するのではなく、原因となっている場所を治療しなければなりません。普段から身体の様々な痛みをチェックしましょう。
肩や背中が痛かったり、腰が張ったりするのは必ずしも肩こりや腰痛とは限りません。こういった痛みは内臓疾患のサインであることも少なくないのです。それは胃や心臓、胆嚢などの神経と肩や背中の神経が脳へ行く途中の脊髄で交わっているため、脳が内臓の痛みを肩こりなどと勘違いすることがあるのです。
例えば心臓発作は、本来なら胸の左側が痛くなるものと捉えがちですが、初期段階では左小指の痛み、左腕または首や顎が痛いと感じることがあります。この痛みは心筋梗塞の初期段階として重要なシグナルでもあります。また、「胃」と「心臓」は痛みを感じる神経が脊髄の同じ場所を走っているため、心臓の不調を胃の痛みと勘違いすることもあるのです。手や肩の痛み以外に、動悸や胸苦しさ・めまい・ふらつき。また、背中や腰の痛みであれば、刺す様な痛みは要注意です。このような症状がある場合は速やかに医師の診察をうけましょう。